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02 【日本酒の表示】 - その他の表示  -
01 【日本酒の表示】 -ひょうじのいろいろ-

03 【日本酒の表示】 -銘柄名の妙-

現在、全国に約2000の蔵元があるといわれ、銘柄数にすれば膨大な数になります。
銘柄名のモチーフには、古来から伝わる物事や人名、花鳥風月など縁起のよい文字を入れ込んだものが多く、独自の世界を築いています。中にはお酒を造った杜氏さんの名をそのまま冠したものや、駄洒落風に読ませるもの、そして低アルコール酒や酒屋さんのPB酒の分野では、日本酒らしからぬネーミングで楽しませてくれるものもよく見かけます。
そこで、個性的な銘柄名を集めて、蔵の方にその名の由来などを聞いてみました。

正宗 系
酒の名前で一番多いのが『正宗』を使ったもの。ものの本によると、ルーツは灘の『桜正宗』で、臨済正宗の『正宗』が『清酒』に通じるということで付けられたとか。
その後マサムネ名で呼び親しまれ“名刀正宗のように切れ味のいい酒”という意味合いを含みながら全国の蔵元に広まっていったようです。
全般的には人名や地名を使った正宗が多いのですが、その中から異色の正宗をご紹介。


異色の正宗
「スキー正宗」 「蔵元のある上越市は日本のスキー発祥の地とういことで、当社はそれまで使っていた銘柄に変え、メインとなる酒をスキー正宗としました。これが昭和初期のことで、それ以来約80年にわたりスキー正宗を使用しています。戦時中は外国語を表示できないため、寿亀正宗と表示して販売していたそうです」(武蔵野酒造ホームページより抜粋)
新潟・武蔵野酒造

「楽器正宗」 「君が代の作曲者である奥好義先生が当地を訪れた際、米、水、気候、風土等、酒造りに最も大切な三要素が兼備している土地柄と、造り出された酒に大変満足され、「人間最高の芸術品は酒と音楽」と言われ、音楽のもとである楽器を酒名として名付けられました」(大木大吉本店・小針さん)
福島・大木代吉本店


ユニーク 系
「なぜその名前がついたの?」と興味を抱かずにはいられない銘柄名を集めました。

「トップ水雷」 「大正天皇が米子に行幸の際、随行された東郷元帥が当社にご来臨され命名されたものです。「水雷」は日露戦争時に日本海海戦で活躍した魚雷を表し、「トップ」は全国に先駆けて冷酒を販売したのを記念して付けられたようです。地元では"水雷さん"の名で親しんで頂いております」(稲田本店・築谷さん)
鳥取・稲田本店

「昔、お祖父さんの
飲んだ酒」
「今から十数年前、山廃仕込みを復活することになりましたが、当時はまだ山廃仕込みという言葉が全く伝わらなかったことから、我々の祖父たちが飲んでいたものと同様、コクとキレのある深い味わいを再現するという意味で命名。銘柄が、すなわち造り方や味わいを表現している一例です」(南部酒造場・南部隆保さん)
福井・南部酒造場

「田舎の帝王」 「以前、スナックやバーなどでもっと日本酒を飲んでもらうために「夜の帝王」というお酒を醸しました。その姉妹品として純米酒を発売することになり、純米は田舎のイメージということで命名しました。特別深い意味はなく、楽しんで飲んでもらえればと名付けました」(藤井酒造・副社長)
広島・藤井酒造

「亀亀覇」
「御家ごろし」
「両方とも消費者が名付け親です。『御家ごろし』は、よく後家さんと間違われますが"家を無くしてしまうほど旨い、キリっとした辛口の酒"という意味。『亀亀覇』は "この亀(亀の尾で造った当社の亀亀覇のこと)は、亀(他蔵元の亀の尾の酒のこと)に、覇をなす(制覇する、頂点に立つという願い)美禄かな"という想いが込められています」(上原酒造・上原績さん)
滋賀・上原酒造

「極楽とんぼ」 「蔵元のある小野市にある、国宝の極楽浄土寺と、小野市のシンボルであるとんぼから命名しました」
兵庫・田中酒造


その他の心惹かれた銘柄名
・日本心 やまとごころ(三重・鈴木商店) ・日本心 やまとごころ(愛媛・武田酒造) ・日本刀 にっぽんとう(新潟・日本刀酒造) ・民主長 みんしゅちょう(兵庫・三木善酒造場) ・本家アカカベ ほんけあかかべ(佐賀・中島酒造場) ・一声 ひとこえ(山形・設楽酒造店) ・日々のカ ひびのちから(愛媛・佐々木本店) ・まだ玉 まだたま(長崎・山崎本店) ・忠ギ男 ちゅうぎおとこ(奈良・山川酒造) ・助さん格さん すけさんかくさん(茨城・平山酒造店) ・酒豪 しゅごう(兵庫・豊澤酒造) ・健康児 けんこうじ(愛媛・和田酒造) ・新郎 しんろう(栃木・小島酒造店) ・おめでとう(和歌山・初光酒造) ・歌自慢 うたじまん(新潟・西脇酒造) ・進水式 しんすいしき(福島・清瀧酒造) ・腕相撲(山梨・腕相撲酒造) ・ベートーベン物語(山形・米鶴酒造) ・いしづち音楽堂(愛媛・石鎚酒造)
 などなど


番外編

「美酔 まどろみ」島根・日本海酒造

偶然にも当社のサイト名と同名(読み方は違いますが)のお酒があると知った時は、驚きました。島根県三隅町で、米作りからラベル文字に至るまで全てを町内の人々が手がけ、町内の酒屋さんだけで売っているこだわりのお酒です」

命名について想うこと


蔵の方々は、魂を込めて造ったお酒に命名することの意味深さについても教えてくれました。
蔵の心意気が秘められた銘柄名を知ることで、お酒の味わいがより一層深まることでしょう。
「“名は体をあらわす”ごとく、命名は大変重要で悩むもの」(南部酒造場・南部隆保さん)、 「遊び心で名付けるのは楽しいものですが、メインブランドの『龍勢』『宝寿』などには蔵の考え方、歴史、由来など、とても思いがこもっています」(藤井酒造・副社長)、 「命名はその蔵元の顔であり、その酒名から取り組み姿勢が伺え、土地柄等も連想できるものです」(大木大吉本店・小針さん)、 「命名は我が児に名を付けるようなもの。広く意見を聞いたり、試飲して頂き味のイメージを聞いたりします。物語性のある銘柄名は、公募によって命名することもあります」(上原酒造・上原績さん)。

※今回ご紹介した銘柄は、美酔事務局の独断で選ばせて頂きました。既に製造されてない銘柄が含まれているかもしれません。予めご了承下さい。
また「もっと面白い酒名があるよ」という皆様からの情報もお待ちしております。


 
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